やる気がないわけではないけれど、上司のようなモチベーションは自分にはない。かといって、なんためなら頑張れるか、分からない。
この気持ちがよく分かる、という方へ。
1980年代から2000年代初頭に生まれた「ミレニアル世代」の生き方や働き方を解説する IT批評家 尾原和啓さんの著書「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体新書」がオススメです。
ミレニアル世代=「乾けない世代」
戦後の焼け野原から、ないものを埋めるべく汗水垂らして働き、それが美徳とされてきた団塊世代と子供達の世代(1970代以前生まれの人たち)に対して、
生まれたころからすでに何もかもが揃っていたので、物や地位などを欲して頑張ることはない。埋めるべき空白が、そもそもない。
ミレニアル世代のことを、本の中では「乾けない世代」と表現しています。ちなみに「乾けない」の意味を辞書で引くと、次のように書かれています。
「乾けない」=「(物事に)熱くなれない」と言うイメージが近いでしょう。
乾けない世代の幸せ
筆者は、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンの「人間の幸福は『快楽』『没頭』『身近な人間関係』『意味合い』『達成』の5つに分けられる」という説を元に、乾けない世代のモチベーションを解説しています。
乾けない世代より上の世代:『快楽』『達成』『(家族・会社における)良好な人間関係』
乾けない世代:『意味合い』『没頭』『(個人・友人との)良好な人間関係』
その上で、
モチーベーションを見失っている「乾けない世代」の多くは、自分の幸せを構成する要素が「意味合い」や「没頭」であるにもかかわらず、今の仕事の中にそれらを見いだせていない状態なのかもしれません。
と分析しています。
乾けない世代が憧れる人
具体的な人物例としては、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏とメジャーリーガーのイチロー選手が紹介されています。何故、こん二人なのか?ポイントは、先に述べた『意味合い』と『没頭』です。
ザッカーバーグ氏:世界のお金持ちランキング5位でありながら、着る服は、Tシャツにジーパン。子供が生まれてからは、奥さんと二人で所有する総資産の99%を寄付。「世界をよりオープンで、みんながつながり合える場所にする」という目標=『意味合い』が仕事・プライベートの指針になっている。
イチロー選手:トップ選手になった今も、毎日欠かさず素振りを行い、試合前のルーティンを崩さない徹底した自己鍛錬・自己管理。自分が好きなこと・得意なことに『没頭』し、それで世界に評価されている。
どう生きるか?
「乾けない読者」のなかには、ザッカーバーグさんのように「やりたいことで突き抜けた人は確かに憧れるけど、それがない人はどうしたらいいの?」と感じている人もいるのではないでしょうか?厳しい言い方になりますが、やりたいことがない人にとっては、これからの時代は行き辛いでしょう。
右向け右で、固定された目標に向かって歯を食い食いしばって頑張る人よりも、好きなことに夢中でいつも楽しそうにしている人のほうが、魅力的になっていきます。
心の中のモヤモヤを言い当てられた、と感じた方も多いのではないでしょうか?右向け右の教育で育てられてきて、今さらそう言われても…と言う気もしますが、これが現実というわけです。
些細なことでもいい、あなたが熱くなれるものは何か?
これから「やりたいこと、わかならないので」と受け身になってしまったが最後、そこで試合終了の時代がやってきます。
人間は選択肢が多いほど何も選ばずに終わる、という実験結果がありますね。財産も十分あるし、特に人と関わらなくても生きていける、という方を除いて、「何を選びたいのか?」「それはなぜか?」に答えられなければ、人生に生きがいや喜びを見いだすことが難しい時代になります。
手遅れにならないうちに、小さなことからでも構わないので「自分がどうありたいか?」「何をしていたいか?」「どんな人生を送りたいか?」考えて明確にする時間を作ることを強く勧めます。
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